『ジェン・ブイ』(原題:Gen V)は、クレイグ・ローゼンバーグ、エヴァン・ゴールドバーグ、エリック・クリプキによって企画された、スーパーヒーローを養成する大学を舞台とするアメリカ合衆国のSFテレビドラマシリーズ。
概要
2019年から公開されている『ザ・ボーイズ』のスピンオフであり、『ザ・ボーイズ』とのクロスオーバーも行われている。本シリーズのシーズン1は、『ザ・ボーイズ』のシーズン3とシーズン4の間の時期を舞台とする。
原作は、ガース・エニスとダリック・ロバートソンの同名コミックシリーズ中の「We Gotta Go Now」である。
2023年9月29日にAmazon Prime Videoで配信開始された。同年10月19日、シーズン2の製作が決定した。
あらすじ
コンパウンドVの投与によって超能力を与えられた若者たちの、ヴォート社が運営するゴドルキン大学での学生生活と事件を描く。
誤って超能力で両親を殺してしまい、施設で育ったマリーはゴドルキン大学に入学を許され、ルームメイトのエマに出会う。マリーは犯罪対策学部でランキングを争うエリートたちと知り合うも、トップに立つルークが教授を焼き殺し自殺する場面に遭遇する。インディラ学部長はマリーをルークを倒したヒーローに祭り上げる。ルークの友人のアンドレとケイトは不審に思って調べ、ルークの弟のサムが大学の地下施設「森」に監禁されていることを知り、エマが救出する。
ケイトが恩のあるインディラの指示で友人たちの記憶を操作していたことが分かる。自責の念からケイトは友人たちの記憶を元に戻し、彼らはインディラがルークとサムを「森」で実験対象にしていたことを知る。実は超能力者を憎むインディラは、密かに超能力者を殺すウイルスを開発させる。超能力管理局長官で副大統領候補のヴィクトリア・ニューマンはマリーから「森」の秘密を聞き、密かにウイルスを入手する。
ケイトはインディラに告白と自殺を強いた後、サムとともに「森」に監禁されていた能力者たちを解放し、学内の非能力者たちを虐殺し始める。マリー、エマ、ジョーダン、アンドレの4人はケイトとサムを阻止しようとするが、逆に虐殺の罪を着せられて監禁される。
登場人物
※()内は日本語吹き替え
メイン
マリー・モロー
- 演 - ジャズ・シンクレア(ファイルーズ・あい)
- ゴドルキン大学の1年生。自身および他人の血液を操り、武器として使うことが出来る。誤って両親を殺してしまった過去を抱える。
エマ・マイヤー
- 演 - リゼ・ブロードウェイ(大地葉)
- 体のサイズを変えることができ、別名“リトル・クリケット”として知られている。食べたものを吐き出した際に小さくなり、大食いをした際は巨大化する。
- マリーのルームメイト。
アンドレ・アンダーソン
- 演 - チャンス・パードモ(鈴木崚汰)
- ゴドルキン大学の3年生。磁気を操る能力を持つ。
- スーパーヒーローとして活動するポラリティの息子でもあり、ランキング上位者。
ケイト・ダンラップ
- 演 - マディー・フィリップス(弘松芹香)
- ゴドルキン大学の3年生。ルークの恋人で、ジョーダンとアンドレの友人。ランキング上位者。
- 手で触れることで他人の行動や記憶を操る能力を持つ。奪った記憶は元に戻すこともできる。
ジョーダン・リー
- 演 - デレク・ルー(室元気)、ロンドン・ソア(櫻庭有紗)
- 2つの性別と能力を自在に切り替える能力を持つ。男性では強靭で不滅な肉体を持ち、女性では機敏に動くことができ、衝撃波も出せる。学内ランキング上位者。
- 出生時は男性で、両親は女性に切り替わることを嫌っている。
- ブリンカーホフ教授の助手。
サム・リオーダン
- 演 - エイサ・ジャーマン(宮崎遊)
- ルークの弟。不死身の肉体を持ち、類まれなる強さを誇る。
- 精神が不安定で、幻覚に悩まされており、現実と妄想の区別がつかなくなっている。その際、サムの視界では人がマペットに見えている。
インディラ・シェティ学部長
- 演 - シェリー・コン(渡辺明乃)
- ゴドルキン大学の学部長。
- 能力者ではないが、スーパーヒーロー心理学の知識と能力者の分析に長けている。
リカーリング
ルーク・リオーダン/ゴールデン・ボーイ
- 演 - パトリック・シュワルツェネガー(八代拓)
- サムの兄。全身を発火させることができる能力を持つ。
- ゴドルキン大学の4年生で学生ランキング1位の彼は、セブン入りを期待されている。
ポラリティ
- 演 - ショーン・パトリック・トーマス(西垣俊作)
- アンドレの父親で、有名なスーパーヒーロー。
ブリンカーホフ教授(ブリンク)
- 演 - クランシー・ブラウン(相沢まさき)
- ゴドルキン大学犯罪対策学部の有名な教授で、かつてAトレイン、クイーン・メイヴ、ディープを教える。
- 大学内でセブンに入ることができる逸材を熱心に探しており、ゴールデン・ボーイがその逸材だと信じている。
エディソン・カルドーサ博士
- 演 - マルコ・ピゴッシ(佐々木義人)
- 大学の地下施設「森」で、能力者を監禁し実験を行う科学者
マーヴェリック
- 演 - ニコラス・ハミルトン
- アンドレらの同級生で、透明化の能力を持つ。
- 元セブン、トランス・ルーセントの息子。
ルーファス
- 演 - アレクサンダー・カルヴァート
- サイキックの学生。
アシュリー・バレット
- 演 - コルビー・ミニフィ(熊谷海麗)
- ヴォート社重役。
キャメロン・コールマン
- 演 - マシュー・エディソン(菊池康弘)
- トークショー番組の司会者。
アダム・バーク
- 演 - P・J・バーン(下川涼)
- 映画監督。
ゲスト
Aトレイン/レジー・フランクリン
- 演 - ジェシー・T・アッシャー(柏野昌俊)
- スーパーヒーローのトップ集団「セブン」の一員。
マデリン・スティルウェル
- 演 - エリザベス・シュー(本田貴子)
- ヴォート社の副社長。
ヘイリー・ミラー
- 演 - リー・ブッシュ(木村香央里)
- トークショー番組の司会者。
ディープ/ケビン・モスコウィッツ
- 演 - チェイス・クロフォード(村井雄治)
- スーパーヒーローのトップ集団「セブン」の一員。
ロバート・ヴァーノン/テックナイト
- 演 - デレク・ウィルソン(石黒史剛)
- ヴォート社製作の犯罪捜査番組『テックナイト 真実の全貌』に出演するスーパーヒーロー。
- 鋭い観察眼を持ち、尋問技術に長けている。
- 木の樹洞など「穴」を見かけると陰部を差し込んで自慰をせずにはいられない異常性癖がある。
ジェイソン・リッター
- 演 - ジェイソン・リッター
- テレビ番組の出演者。
ソルジャー・ボーイ
- 演 - ジェンセン・アクレス(東地宏樹)
- 「セブン」以前のトップ集団「ペイバック」のリーダー。
ダスティ
- 演 - アンディ・ウォーケン
- 身体の老化が遅く、見た目は子供だが実年齢は28歳。
グレイス・マロリー
- 演 - ライラ・ロビンズ(塙英子)
- 元CIA副長官にして「ザ・ボーイズ」の創設者。
ビクトリア・ニューマン/ナディア
- 演 - クローディア・ドゥーミット(桜木可奈子)
- ヴォート社を批判する下院議員であり、超能力者管理局の長官にして副大統領候補。
- 実は超能力者であることを隠している。
- 能力は視界にいる人物の頭を破裂させる能力かと思われていたが、実はマリーと同じ血を操る能力であり、頭の破裂はその応用によるものだった。
もう一人のアシュリー
- 演 - サブリナ・サウディン
- ヴォート社の広報担当で、アシュリーの部下。
ホームランダー/ジョン
- 演 - アントニー・スター(近藤浩徳)
- セブンのリーダー。
ウィリアム・”ビリー”・ブッチャー
- 演 - カール・アーバン(宮内敦士)
- ザ・ボーイズのリーダー。
エピソード
製作
2020年9月20日、『ザ・ボーイズ』のスピンオフの製作が発表され、クレイグ・ローゼンバーグがエリック・クリプキ、セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ、ジェームズ・ウィーヴァー、ニール・H・モリッツ、ガース・エニス、ダリック・ロバートソンらと共に、シリーズの脚本と製作総指揮を務めることが発表された。
同月24日、同作は一部、映画『ハンガー・ゲーム』シリーズのような内容になっていると報じられた。
2020年10月2日、クリプキは、『ザ・ボーイズ』のシーズン1で言及され、原作コミックにも登場する”G-メン”(マーベル・コミックの”X-メン”のパロディ)を一部ベースにした内容になると発表した。
2023年1月、シーズン1公開前に、早くもシーズン2の製作準備に入っていると報じられた。
同年10月、130カ国以上でテレビシリーズ1位を獲得したことと同時に、シーズン2の製作が決定したことが発表された。2024年3月27日にチャンス・パードモが交通事故死したため、4月から予定されていたシーズン2の撮影は無期延期された。
脚注
注釈
出典
外部リンク
- ジェン・ブイ - Amazon Prime Video
- Gen V - IMDb(英語)
- Gen V - Rotten Tomatoes(英語)


![]()

